The Essential Clash/ホロウ・シカエルボク
 
に腹ペコになっていたが取調室でかつ丼は出なかった、刑事に聞くとあれはフィクションなんだよとなぜか凄く嬉しそうに教えてくれた、賄賂に当たる行為で違反なのだそうだ、こちらとしては腹を膨らませたかっただけだったのだが…帰り道で丼の店に入ってかつ丼の大盛りを食べた、ワンオペの若い男はうまく仕事をこなしていたが両耳から血を吹き出していた、しかし立派なものでそれが商品にかかることは決してなかった、俺はリスペクトを込めてごちそうさまと言った、その途端に店員の頭は昔のホラー映画みたいにスパーンと弾けた、俺は首を横に振りながら店を出た、頭が死因という景色の多い日だ…すでに日は暮れていた、午後あったことなどすっかり忘れて缶コーヒーを飲んだ、覚えのある感触が唇に触れ、缶の中から女が這いだして来た、今度はどこにも逃げて行かなかった、だから連れて帰って、まるで昔から恋人同士だったかのように暮らした、とてもいい女だった、後頭部にフォークの先端が少しはみ出していること以外は、深夜のラジオはマイケル・ボルトンの「男が女を愛するとき」を流していた、俺はハンマーで原形がなくなるまでラジオをぶち壊した。


戻る   Point(1)