The Essential Clash/ホロウ・シカエルボク
終える頃には夕焼けが近くなっていた、だから鞄に忍ばせておいたさっきの脳漿を取り出して公園の植え込みに埋葬した、もちろんそこから女が生えてきたりはしなかった、もしも生えてきたら持ち帰るつもりだったけれど―蛇たちのピラミッドはその頃には溶け始めていた、それなのになんの臭いもしないことが不思議だった、もしかしたら彼らに眼球が無かったせいなのかもしれない、ああ、昨日河原で見たハクビシンのような生きものの死骸…一直線に伸びたまま死後硬直して、まだ死に続けているみたいに目と歯を剥き出しにして蠅にたかられていた、あいつからは猛烈な臭いがしていた、猛烈な…手に持ったままだった小説をピラミッドのそばに捨てた、それが
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