……とある蛙さんへの手紙/服部 剛
の玩具の鍵盤の単音を
目に見えない指で
幾度も
鳴らしましたね
――いつまでも心に響く鐘のように
詩人のあなたから
僕への
熱い伝言、
確かに
受けとりました
空の
上で
一杯やりながら
観ていてください
蛙さん
今夜の朗読会には
あなたが大好きな皆が集い
とわなるとものあなたは
無数の蛙たちになり
僕等の胸に宿るでしょう
僕等のなかにいる
蛙たちは
今
四つん這いになり
じっと エネルギーを貯めています
それぞれの明日へ
ぴょん
と
跳躍するために
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