……とある蛙さんへの手紙/服部 剛
 
の玩具の鍵盤の単音を
目に見えない指で
幾度も
鳴らしましたね 

――いつまでも心に響く鐘のように

詩人のあなたから
僕への
熱い伝言、
確かに
受けとりました
空の
上で
一杯やりながら
観ていてください 

蛙さん

今夜の朗読会には
あなたが大好きな皆が集い 
とわなるとものあなたは 
無数の蛙たちになり
僕等の胸に宿るでしょう

僕等のなかにいる 
蛙たちは 

四つん這いになり
じっと エネルギーを貯めています

それぞれの明日へ
ぴょん

跳躍するために









戻る   Point(11)