蒼い話/這 いずる
 
が海で、群青が空なら
それに挟まれた私が蒼でもいいのに

罪がない
罰がない
はじまらない
なにもない
おわらない
なに、なんで、
生きているだけで罪だ
生きていてこそ罰だ
罪状を読み上げる
長々としたひとつひとつに
過ごした時間が溶けている
ソレは私ではなくて
私は躰ではなくて、
いやいやだってが通用しない、
欠けた前歯と月が証明している
こんなことになるなんて
縛られてしまって、どうして

空と海とに挟まれている
どこまでも透明に薄まることができるはずで
蒼にこの世で一番ふさわしくて
蒼に一番になれるはずなのに
何色でもない手を
伸ばす
戻る   Point(1)