蒼い話/這 いずる
真面目度と正気度の高い高い高い話
園庭のブランコか滑り台かで落ちた
前歯が欠ける
紅茶に落ちた月も欠ける
今日を明日を明後日の時間の縁を
つないでいくのが本当に
自分の体なのかと
欠けた前歯が証明してようが
どうして、躰の中の何がいう
まばたきしている間に欠けてたよ
指摘される
透明なひどく透明な
笑顔を見せる
トウモロコシ畑から顔を覗かせる子供たちが
まとわりついて立てる
湖を渡る足の長いラクダの
その背から滑り落ちる客を
慌てて捕まえる船頭が
幻想を占拠する
もう二度と産まれないように
もう二度と産まれないように
息を吸えないから溺れている
紺碧が海
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