約束/
たちばなまこと
夢だったのでしょうか
眠りは羽毛のようにからだに降りて
私の首を見つけてしまう
航海に 星見すら許されず
ありふれた受動態になるのです
夜明け前の雨脚に まぼろしのようなあなたを見つけました
いいえ
ほんものというものは まぼろしなのかもしれません
あわいごとに薄目を開けて
雨粒に 約束をまじえてそそぐ
あなたの影をなぞるだけ
まぼろしの繭を舐めたからだが まぼろしを再び知る前に
鎖骨に溜まった真珠の微熱を
奪う手を差しのべて
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