ハイヒール/リリー
 
 
 薄い霧の 
 晴れない朝
 軽い ハイヒールを器用にさばいて
 女は舗道をいく 

 昨夜 花開いたに違いない女の性が
 そのすんなりした 脚を
 わずかに恥じらわせ
 プラタナスの落葉 
 踏みつけることをさける

 ひそかに今朝
 青きレースに包まれ 
 締めつけた乳房
 何とか外に溢れ出たいと希う情欲の名残りは
 きらきらと 瞳から大空へ舞い上り

 薄い霧が 
 やがて 晴れぬ間に
 女よ、
 美しさを 誇れ

 
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