夕陽/リリー
 

 貴方と逢っての帰り
 雨雲が 電車を追うその先
 西山へ落ちかけた陽が鮮やかに薄紅で 
 大きい


  稲の穂先に むせながら
  田の中を歩き
  やがて深い竹林に入った時
  先を行く丈高い姿に
  心の中で 問いかけた

  いつまで続く愛かと 計らなければいけないの?
  幸せな安心感が無いということは
  不幸なのかしら?

  その時 振り向いた貴方の
  優しい疲れた様な目は
  心の傍を風になり通りすぎていった


 疲れているのだ

 陽の 柔らかい紅の中に私を溶かしこんで
 電車の振動に目をとじる
 いつのまにか 又
 貴方の姿が心を覆っている
 
 
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