連作詩集「自由落下」冒頭十篇/岡部淳太郎
 



葉がふと 落ちる
はな れ て
      ゆく

おとなしい
終りが
始まる

それにそなえて
私を 消す




浮き出た血管のように
夜を
青い星がはしる

――ながれぼし、って、いうんだよ。
子供の頃に教えられた

その本当の姿は誰にも見られることはなく
地上で騒がれるだけで
願いはいっしゅんのうちに数えられては
よりわけられてしまう

すべては知らぬ間
さだめられた星が落ちる
見たという事実さえあやふやな
そのまばたきの間に




重力に惹かれて
描く直線

詩の長い一行のようだ
長いながい 
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