メモ/はるな
 
髪をして、ではなく、自分の思うような見た目でいること。自分の想像したときの私がそこにいると良いと思う。良い匂いと清潔なシャツ、柔らかい靴と、小さな鞄、それから、いまは、それだけ。かんたんな外側を用意して、かんたんに着脱する。メモ、
結局のところ(結局のところ!)もともとのものを認識することは難しい、絵の具が宙にとどまれないのとすこし似て(絵の具はそのものでもあるから)いる。どこにもないようにあるものを、私と呼ぼうかな?
あの、さびしさが湯気であるならば、それはわたしではないのだな。と至るに、こんな感情をして、泣いたり、茫然としたりして疲れて、設定の狂ったピンボールのように跳ね続ける、とめどない思考の粒を、画鋲、画鋲、メモをとめるための画鋲です。

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