大きな木/チアーヌ
 
子供をつれて大きな公園へ行った
大きな公園には大きな木があった
大きな木の枝は重そうに地面に垂れて青葉を繁らせていた
子供は喜んで木の枝に乗りブランコにし始めた
ごめんなさいね重くないですか
いやまぁこれくらいだったら平気だよ
樹齢300年位かなとわたしは思った
そのぐらいの木とならば会話ができる
木は大体100歳くらいまではひよっこでお子様なので
会話なんか成り立たない
わたしも人間としては大人なので
大人の木と話したい
庭木
街路樹
ほとんどの木はまだまだお子様で赤ちゃん
100年くらいで木は思春期に入って
200年くらい経つといっぱしの口を聞くようになり
300年くらい経つと酸いも甘いも噛み分けた子持ちの中年になる
そしてそのあとはゆっくりゆっくり時間をかけて老木となる
わたしも少し甘えていいですか
枝に触れ幹に頬を寄せ耳を当て
わたしは木の体内の音を聞く
ざあああああああ
ざあああああああ
雨がたくさん降ってきて
わたしは子供を抱きしめる


戻る   Point(3)