記憶に残るライブエピソード/板谷みきょう
「もう、覚えてはおられないでしょうが
以前、ニセコのひらふスキー場のペンションで
歌っていたのを、息子と見たことがあります。
当時、息子は小学生で
あれから、ミュージシャンになると言って
ずっと、バンドをしているんですが。
みきょうさんから、音楽では食べれないと
息子に行ってくれませんか?」
そう言うと若い男性を前に出した。
とてもシャイな感じの二十代後半の男が
ペコリと頭を下げた。
ボクは四十代になっていた
歌を歌ってるだけでは
暮らしていけないこと
その為
友人、知人のミュージシャン達は
他に教室を持っていること
ラジオ番組でDJやパーソナリティーをしたり
他に職業を持っていること
そんな話をした。
力無く
「へえ」「うん。」「そうなんだ。」
そして、なんとなく
「はい。」
ところで
君は何をしてるの
「あっ。月光グリーンて云うバンドで
ベース弾いてます。」
それが
2008年に脱退した
“はな”だった。
六十代のボクは
今も
彼の活動を応援してるよ
戻る 編 削 Point(1)