あうんのうんのつぶやき/佐々宝砂
 

我輩は狛犬である。
うん。

口元はきりりと締まっているのである。
うん。
だらしなく口あけた相棒とは違うのである。
うん。
だが百年に一度くらい口あけて吠えたいのである。
うん。
今度誰もいない夜にこっそり吠えよう。
相棒に口止めしとかにゃならん。
うん。
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