あうんのうんのつぶやき/
佐々宝砂
我輩は狛犬である。
うん。
口元はきりりと締まっているのである。
うん。
だらしなく口あけた相棒とは違うのである。
うん。
だが百年に一度くらい口あけて吠えたいのである。
うん。
今度誰もいない夜にこっそり吠えよう。
相棒に口止めしとかにゃならん。
うん。
戻る
編
削
Point
(9)