メモ1/由比良 倖
 

 例えば詩は、他人への、繋がりとか、それを求める気持ちとか、それ以上に、好きという気持ちが無いと、詩にはならないと思っている。それはもちろん、完全に思想的だったり、閉鎖的な詩もあるけれど、それにしても社会的なひねくれみたいな閉鎖じゃなくて、静かな孤独の中でしか見えない、ある種の、人との共通の何かを感じる心が含まれている方がずっといい。眠りの中での両性具有のような。
 単に楽しいだけでもいいと思う。「楽しさ」の一番の要因は、「自分は孤独じゃない」という確信だと思うから。表面的な繋がりとかじゃなくて、たとえひとりぼっちでも、自分は孤独じゃない、何故なら孤独とは、自分勝手に自分の領域を限定して、
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