メモ1/由比良 倖
樹の皮みたいになっている。すごい貧血のまま献血に行ったり、血を見るのが好きだったし、それ以上に痛み、……と言うよりは、切っても痛みを感じないことが好きだった。すごく気持ち良かった。
手首の傷が一番深い。躊躇い傷ではなく、全然躊躇ってない傷だと、今見ても分かるし、腱を切って、手首に三つあるらしい神経のひとつを傷付けたので、左手の親指の痺れは今でも残っている。寒いときにぴりぴりするのは構わないけれど、ギターを長い時間引いていると、親指が痺れて、段々感覚が無くなってくるのは、少し困る、……と言いつつ、そのことをちょっと格好いいと思っている。
……つまりは僕は典型的なメンヘラで、だから僕は、自分は
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