メモ1/由比良 倖
人感や疲労感や、あと声が出ないことなど、いろいろなことが辛かったので、これら全てを解消することは、一生掛かっても出来ないような気がしていた。
12歳の頃から、今に至るまで、いろんな種類の苦痛を体験してきたけれど、一番辛かったのは、離人症と幻覚だ。幻覚が出たということで、病名に統合失調症が付け足されている。幻覚は、本当にリアルで、自分の感覚だけではそれが病気のせいだとは、まず判断出来ない。僕は、統合失調症のことについてよく調べていて、自分に出そうな症状を予習しておいたので、幻覚を完璧にリアルに感じつつ、でもこれは壊れた頭が見せてるんだな、といちいち意識的に訂正していた。
あと、突拍子もな
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