メモ1/由比良 倖
 
脳細胞は死にすぎた。読書をして、言葉を心の底の、混沌の、命の海に沈めなければならない。
 もしかしたら、言葉には限界があるのかもしれない。でも、言葉を仲立ちにして、遠くに、それから心の中心に行けるかもしれない。生きているのだから、行けるだけの場所に、最大限に遠く、深く、行きたいと思う。

 多幸感や、意識の変性には限界があると思う。自己と世界を認識する、その認識の仕方の転換が一番大事だと思う。気分や感覚や感情、快感は、絶対的に追い求めるほどには、大したものじゃない。
 それに、ただふわふわと気持ち良く浮いているだけじゃ意味が無い。現実や現代に接地していなくては、ただの夢遊病者として一生を終
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