メモ1/由比良 倖
て、その中に自らを閉じ込めることだと思うから。ぽつんと孤立したこの身体と、そこに嵌め込まれた小さな脳とか、脳の考えだけが自分ではない。
(小さな)自分と、自分以外の世界を分けて考えて、自分以外のあれこれに批判的になるほどに、自分という殻は強固になる。殻なんて、自分なんて、壊して、消してしまえばいい。そしてそれまで、それこそが自分だと思い込んでいた「自分」なんてものがゼロになったときには、僕には「全て」と、そして「全ての人たち」だけが残ると思う。ここにあるこの瞬間が全てであり、自分が全てであり、他人が全て。自分と他人との間に、絶対的な隔たりなんて無い。世界は、常に一部ではなく、全てとしてあると思
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)