さなぎ/由比良 倖
汗が流れて、田畑が散る。
畦によろしく、わさびにもよろしく、全世界によろしく。
人型の充電器で、今日は衛兵として、明日は線条結線として。
マリネに込められた、様子見、豆がつぶれ、雲みたいに平静を保っている。
仲間割れが、拡散する、ケットシーの群れ。
赤い斑点が木々に押しつぶされた青息の路で、
微かな存在感と過ぎ去った歴史、パノラマで幽閉を楽しんでいる。
洗面器が、明るいな。会いたいな。
小鳥が、夜に、無尽蔵に、増加し続けている。
明るいな。明るいな。すっかり明るいや。
夜になると母親は、子作りに出かける。
朝になると我々は、すでにして生まれ出ることの脅威を知る。
昼
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)