あの青い空の下に・・・・・・/
藤原 実
あの青い空の下に もう季節はかえらない
愛は贈るものではなくて
奪うものだという
君の十五才の陶器のくちびる
かわした言葉たちが
くりかえし
ぼくを奪った
いま ぼくの視線はぼくを離れ
思いもかけぬ世界をつらぬく
未知でありながら
あまりに親しい世界を
一羽の小鳥が
ぼくの抒情する脳髄の影がさえぎった砂の上に
墜落した
ああ あの落下も
限りない交換の
ひとつのかたち だっ
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