星だ、星だ、星が/這 いずる
 
雨の降る端っこにいる
それを全てにして
明日に踏み出す先もなく
後顧の広さに竦み
見上げる先から落ちるものが
雪であれ、と思う
間違った先もなく
泥濘の重さが
安寧に変わる境目が
降ってくる
星だ
ため息が足の痛みになる
鎖の端を記憶が握る
自分でなくなれ、と思う
詞が喉の奥に落ちる
沈みこむのが自分の体だけならいいのに
何のなんの、なんで、全て崩れて
崩れてしまいたい
崩してしまいたかった?
大切だった
大切じゃなかった
今日が今日じゃなかった
明日もない、昨日もない
夢だ、夢だ、星だ、星だ、星が
揺籃の中にいる
見あげる音がなる
だれかいる
星だ、星だ、星
戻る   Point(1)