星だ、星だ、星が/這 いずる
雨の降る端っこにいる
それを全てにして
明日に踏み出す先もなく
後顧の広さに竦み
見上げる先から落ちるものが
雪であれ、と思う
間違った先もなく
泥濘の重さが
安寧に変わる境目が
降ってくる
星だ
ため息が足の痛みになる
鎖の端を記憶が握る
自分でなくなれ、と思う
詞が喉の奥に落ちる
沈みこむのが自分の体だけならいいのに
何のなんの、なんで、全て崩れて
崩れてしまいたい
崩してしまいたかった?
大切だった
大切じゃなかった
今日が今日じゃなかった
明日もない、昨日もない
夢だ、夢だ、星だ、星だ、星が
揺籃の中にいる
見あげる音がなる
だれかいる
星だ、星だ、星
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