カクテル/ヤマト
メンソールのタバコと少々強い酒
キッチンにあるのはそれだけ
という時代があった
経営学を学んでいた僕は
たいして面白みを感じない授業を受け
バイトをし
酒を飲み、タバコを吸う
という生活をただただ繰り返すだけの毎日を送っていた
ドライジン、ベルモット、ホワイトラム、コアントロー
そこからできるのは
マティーニであったり
XYZであったり
ボストンクーラーであったりした
アルコール(だれかがアルクホールと言っていた)は人を饒舌(じょうぜつ)にする
相手が友人であっても
彼女であっても
知らない女性であろうと
誰であろうと関係は無い
人生が出会いと別れの繰り返しであるならば
おそらく、僕は酒を飲み続け
お世話になった人々に
いつかは別れを告げなければならないだろう
明るい別れ、というものがあるならば
常にそれを心がけていたい
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