ハレとハレハレとハレ/這 いずる
神輿に乗って振う腕が
風を起こすみたいな動き
どなり声が盛り立てとなって
かがり火の弾けた火の粉が飛ぶし
煽る煽る子供が離した風船はとんでいく
どんどん太鼓がなんの為か鳴ってて
人の踏み荒らす砂ぼこりと
湯気と蜃気楼が混ざって
幻想の向こう側を表している
屋台は霞を売るし
見様見真似の踊りは滅茶苦茶
太鼓が鳴っているから
金物も甲高く早く鳴ってきた
心が浮足立たせられ
誘蛾灯に蛾はぶつかる
人混みが金魚をぶちまけ
ついでにたこせんもぶちまけ
わはははわやわや
神輿に乗っている
ぐわっと回る
人声が波にかぶせ
子供はわたあめかりんご飴か
どれか買ってもらうと必死にわめく
大人はたこせんと焼きそばと焼き鳥とビールで優雅に乾杯
祭り囃子が鳴っているまだ鳴っている
祭り囃子が追い立ててるまた鳴っている
祭りばかりで祭り馬鹿が祭り囃子を追っている
まだ鳴っている
戻る 編 削 Point(1)