Transit Time/ホロウ・シカエルボク
た、根幹が虚ろな人間は、そんな自分を守るために必要以上の自衛を続けるものだ―「弱い犬ほどよく吠える」簡単に言えば、つまりそういうことだ―海に停めてある船から、工場敷地内の一番端っこにある建物へと繋がっているベルトコンベアが石みたいなものを運んでいる、石炭だろうか?いまの社会にもそんなものの需要はあるのだろうか?一応考えてはみたがぼくに答えが出せる問題では当然なかった、自分にはまだまだ知らないことがたくさんある、大人になってもなお、それを自覚出来る性格で本当に良かったなと思う、「好奇心は猫をも殺す」って言葉もあるけど―どこかの国のことわざだっけ?だけど、鎖につながれて、自分の領地の中だけで偉そうに吠
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