ビーチサンダル/atsuchan69
ぼくはどこへゆくのかなぁ
ポケットにビー玉がじゃらじゃら
麦わら帽子に少し汚れたランニング
ビーチサンダルの鼻緒はブルーだった
あの頃のぼくはもういない
灼熱の街を黒い革靴でさまよう
歩いても歩いても
なにも始まらなかった
自動販売機で冷たい飲み物を買った
あの頃のぼくはもういない
夜が街の煌めきを見下ろしている
光の筋が蠢いていた
レンタカーに乗ったふたり
ぼくには君がプリンセスに見えた
あの頃のぼくはもういない
ぼくはどこへゆくのかなぁ
とりあえず古い家を改築した
子供たちもいつのまにか巣立って行った
お揃いのビーチサンダルを履いている
妻と濡れた砂浜をどこまでもゆく
戻る 編 削 Point(12)