雪女2/リリー
冬の日の山
真白な雪の その彼方に
孤り高く貴女がいる
あの山の
雪を被った樹々の間に立ちあらわれる
男の前に
肉を欲しがり
血を欲しがり
体温を欲しがって
冷たき胸に
抱き寄せる男いくたり
その心 激しく震う時あるも
結ばれる恋を知らず
君きかずや
雪女の声
呼ぶにはあらず
ひえびえと
風 突き刺さり
男よ 熱き心
燃やすな
今日又 雪山に照り返る月
高く 動かぬ水面に映り
枝垂れし老木に
物思うらし貴女の
目の微笑み
誰に 解るだろうか?
吹雪 すぎし後のみの雪女なれば
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