シロイルカとの日々/そらの珊瑚
せたのはフセンに描かれた黒いイルカ
私「クロイルカ?」
シ「残念でしたー黒く塗ったシロイルカでしたー」
シロイルカとクロイルカは
色が違うだけ
中身は一緒だった
ツルン
ツルン
ペタン
ペタン
そのうち部屋はフセンだらけ
うっとおしいったらないけれど
見慣れたらそれはそれで
ちょっと愛おしく
扇風機の風があたるたび
フセンがそよぐから
世界のことわり通り
片翼と片翼は惹かれあい貼り付き始め
大切な言葉
だけど同時に はかない言葉たちは
左右対称に
小さく羽ばたき
晴れを待っている
翔んでいくための空を
泳いでいくための海を
またおいで、シロイルカ(クロイルカ)
約束なんかはしないけど
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