青い影/soft_machine
ゆれる ぬけがらの重さ
ひとつひとつ 声に彫られた
ふるい幹のこまかな傷と
蝉と烏 青を奪いあう
にぎやかな今日
不意につまづく
日傘をさした子づれの伝道師が
扉の向こうに立つ
その 影の間に起こる
ほんのわずかな会話と
固く 長いためらい
水がまかれた
丘の向こうで
糸を切られた
風鈴が鳴って
鳴り終わって 落ちる
ひかりだけ
何もかもを知っていて
目隠しされた鬼が いっぴき
つぎつぎ叩かれている
群衆は
白昼になると
ことばをつかい誤り
わたしも ただ、見ているだけ
ちがう、ほんとうは
こっそり
ほくそ笑んでいるのだ
この今も
くちびるを濡らしながら
空を青いと思いながら
こまかく震えながら
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