風のシネマ/soft_machine
いのだろう
そんな、一夜の夢を 人は笑うだろうか
すこし明るすぎる照り返しが
眺めるだけの皮膚に留まって
また、上映の釦を押すのではないか
何故なら きみは 風のシネマ
未来しか見ず旅してる
いつだって不意に現れて 片恋を募らせるけれど
夏は 空の高くに終わりの青をはやくも掴み
裂けたこころの袷をつかみ
急ぎすぎた跡を残して 曲がり角をとり忘れ
わたし達に 気づかせもしない
ゆたかな過去が 何であるのか
風が愛した昨日が終わる
明けて花とひかり ふたたび虫たちの気配
みんな、どうして 燃えているの
朝が訪れた夜を 幾重にもつつむ
次の夜が とっくにはじまっていて
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