捕食者/医ヰ嶋蠱毒
白い
舞踏
渦を巻く
雨
視界が
薄皮を剥かれた
果物の
鮮やかな血のように
絶え間なく
被膜を
溶かしては
再び
鳴る
穿たれた
私のなかへ
ぞわぞわと
注がれる
脳の
原液
繁殖する
無数の
孔は
敷設された
時間を示唆し得る
飾り窓越しに
風景へ
針を刺す
黒く
蟲の
肢
黒く
蠢き
眼窩の裏で
列車が奔る
一条に光る
魔笛のように
細胞の奥底へ
播かれる
より原始の
記憶として
獣の
足跡が
津波のように
聳え立つだろう
我々は
ただ
本能に従い
産まれたそのときに
恐怖を覚えさえす
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