夜 消える夜/木立 悟
 
は不明のままつづきゆく
居ないものが手を振っている
緑の斜面をおりてくる


空に近い場所に在る白と黒の家
霧と共に降る鈴の音
羽でできた歯車の音
積もり積もり積もり溢れる


がらくたの奥に埋もれた鏡に
ちらちらと歪み 映る夜から
風が吹き 腕をすり抜け
幽かに明るい径に消える



























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