夜 消える夜/木立 悟
 







風が入り込み
這いまわり
出てゆくたび
ひとりになる


夜の地に立つ夜の洞
夜を二重に夜にする音
雨は洞を抜け別の夜へゆき
音だけがこちらに残される


波間に浮かぶ鬼の顔
幼い王は水底に棲む
数億回問い 数億回答え
舟は舟着き場に沈みゆく


葉の上に陽をひろげ
死と共に食べるとき
人の無い街はわずかに震え
鳥を影だけ残し消してゆく


世界には重すぎる重荷があり
誰も除けぬまま沈みつづける
つくりものの街がひと息で吹き飛び
もう其処を知る者は無くなる


書きかけの地図の先にも雨は降り雪になり
不明は不
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