ノイズの中でなら上手く眠れる/ホロウ・シカエルボク
ているのは喉ではないということに気付く、でもそんなことに気付いたからなんだというのだ?どうせやることと言えばもう、眠ることだけなのだ、眠りの中で見る夢は現実のような重量を持つ、そしてその光景は、何も起こらないのに殺意のような感情を存分に秘めている、その色味でもって、その感情でもって、脳髄を浸食していこうと目論んでいるみたいに見える、被害妄想に取り憑かれた人間がジムジャームッシュの映画を目にしたら、これと同じ感想を覚えるかもしれない…明け方に目が覚める、目覚める度に体内から何かをごっそり持っていかれたような感じがする、首を振り、犬猫のように身体をストレッチさせる、まるで身体が思い通りに動くのか確認し
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