手のひらの丘/そらの珊瑚
 
雨の気配を感じて手のひらを空へ差し出す

つるりとして
なだらかな
わたしの丘に
今日の雨粒が流れたら
くぼ地の枯れた水路が
一瞬よみがえる
かつて
そこへ流して遊んだ
笹の葉や
野の花、
白い羽も

小さな世界の
失っても
また帰ってくることなんかを
あなたの丘も
きっと覚えていて
戻る   Point(19)