手のひらの丘/
そらの珊瑚
雨の気配を感じて手のひらを空へ差し出す
つるりとして
なだらかな
わたしの丘に
今日の雨粒が流れたら
くぼ地の枯れた水路が
一瞬よみがえる
かつて
そこへ流して遊んだ
笹の葉や
野の花、
白い羽も
小さな世界の
失っても
また帰ってくることなんかを
あなたの丘も
きっと覚えていて
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