千歳の光/
野澤 尚也
この日は
水の中
何もないことを
愛していると
言いたくても
息は吐けず
氷のように笑った
骨だけになるまで胸中を支えた
輝きを放つ
わたしの目玉
川縁で白く
太陽を受けて腐った
何もないことが死なないことだと
遅まきに誰か言う
風景の一部となって死ぬ
戻る
編
削
Point
(1)