,LO09K/竜門勇気
 

生涯ちゃんと描ききったのは
高校二年の時のザリガニの絵だけ
適当に言った自分の言葉にさらわれて
大阪美大で落書きを何枚かかいて
昔住んでいた街に逃げて
ギターを弾いてすごした
本当に君が羨ましくて
頭がおかしくなりそうだった
コンビニでレジのテンキーを打ちながら
社会が喋りかけてくるのを聞く
おまえの何がだめなのか、わからせてやるぜ
社会はそんな顔をする
そんな顔を見て
暖かな刃物は深い場所で鋭利になる
結晶を知ったとき複雑さは不死になる

僕は君といるあの場所は嫌いだったよ
そうじゃないときもあったかもしれないし
君はあんな時間のことを忘れていると信じたい
でもあの、複雑で痛みにあふれる不愉快な暖かさは
僕にとっては時々思い出す、理解できない無意味だ
誰か一人でもあの教室の閉塞した自由さを
好んで嗅ぐ腐臭のように思い出していてほしい
あるだろ?
不愉快なくつろぎの中に
ドップリと漬かって
めちゃくちゃな気持ちですごしたい休日ってさ

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