鎮魂歌/リリー
 

 いつからか

 私のまわりを古びた影が踊るようになった

 冷たい唇を
 心臓にぴったりとはりつけて
 やがて
 血汐をすいとってしまうのではないか


   だが
   奇妙にものなつかしい

   我影の
   薄らかにある廃園
   まさぐり合った髪の記憶

   ひそかに息絶えて
   重なり合ったむくろ二つ


 音もなき Requiem

 飾るものとてない墓標をめぐり

 遠く 年を経て
 にこやかに語り合う魂の
 悲しみを知らず


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