殺し。譲渡の病弱/狩心
失ったら、きっと辛い思いをして、後悔するだろうと分かっていたが
握っていた手を放し、鏡を地上に落とした
鏡は地上にぶつかって割れて、幾つかの破片になって散らばった
そこに 自分は知らない子供達が数人駆け寄ってきて
破片を拾って どこか遠くへ駆けていった
私はその子らの姿を目で追いかけた
その子らはどんどんと小さくなっていき、見えなくなって消えた
これから永遠に降りかかるであろう不安や恐怖よりも、
なぜかこの一瞬の出来事が、私を何よりも安らかな気持ちにさせた
今朝、皮膚の下に沢山の鏡の破片を埋め込んである
血だらけの少年と少女とも言えないような
人間とも獣ともゴーストとも言
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