ほんのむし/385
 
ぼくは極小 本の虫
紙々の間に潜んでる
小さく白く見えにくい
けれどもしっかり生きている

ぼくの仲間はあちこちの
家の書棚に住んでいて
それぞれ違う世界を知る
会話はもちろんテレパシー
互いの景色を語り合う

愛の字がかすんで読みにくいって?
ごめんよ少しかじっちゃったんだ
とても美味しそうだったから
許しておくれよ

そうそう虫干しするときは
たくさん本を並べてね
新たな世界へ旅立つよ!



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