あかいふうせん/本田憲嵩
 
ねむっている
きみの頬
それは言葉のない絵本のようなもので
とてもカワイイ
きみの夢のなかで
そのやわらかな 二枚のページは
そらにとばされた
あかいふうせんとなり
おいしそうな
あかいりんごとなり
ひらひらとちゅうをまう
あかいちょうちょとなり
そのままのはらにさく
おおきなあかいはなとなった
そのののはなはやがててでつまれ
あめがふり
しょうねんがさすあかいかさとなり
そらのまうえからみた
あかいかさとなり


それらのあざやかな色が
きみのあかい頬になった
きみの頬はそのように夢のチューインガムを膨らませているみたいだ
よみきかせた、あかいふうせん、


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