〈ことがらの。移譲である。缺損として。〉/あらい
 
はずもなかったのか
   /知らぬふりでもできればいいのに。
 ナア。こたえやしないさ木偶の坊よ、
    畦の案山子よ。
    どこへもいけぬよ、
    もしも?/そうさ。

 傀儡と手玉あそびに殉じて。
 性とは、可不可にも、燃やし、尽くして、しまうのか。
 ああ、恥ずかしげに隠したところで、すべては覆いきれないということだ。

( 夏山百合+夕未帆 ≠  )

 これがほんの一雨
。白く火照る小高い丘を滑り落ちる
、結末のない計画と盛夏に
、季節外れのあじさいが褪せていく、
〈ことがらの。移譲である。缺損(けっそん)として。〉

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