ローマの休日(アン女王に)/本田憲嵩
大戦後の活気づいたローマ市街をせわしなく活き活きと駆け抜けてゆく
いまでも自由な少女である 永遠のあなた
ローマでの人々との楽しい振れ合い 星条旗の国から来た男とのロマンティックな恋愛
けれどもそれは公人たる女王としての通過儀礼であり そして試練の選択
夢のように濡れたくちづけの初夜をついに終えて
けれどもあなたはけっして自由の女神にはならなかった
ひとときの家出から舞い戻ったあなたは もうすでに白いネグリジェを着た聞き分けのない幼女ではなく
常にその姿勢を立派に律している 黒いガウンコートを纏った高貴なる美婦人
侍女からのミルクを拒み ビスケットを拒み (そうして一輪の薔薇も下げ
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