卵たち/はるな
 

卵がない
と言うのとまったく同じ重たさで
愛してない
と言う
君は
軽やかに靴を脱いで
眠りはじめる
鳥たちは
詩の滅亡、と言う
巣の作りかたを忘れてしまって
帰る場所がないのだ
必然
卵たちは産み落とされず
母鳥のなかで待ちながら
はやく眠りたいと思っている
愛してない、愛してない
と言いながら
君は 眠っている


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