詩のこと、言葉のこと/由比良 倖
 
、言葉によって一番、僕が遠くに……あるいは深くに……惹かれるのを感じていて、言葉への興味を、言葉が煩わしく思えた時でさえ捨てられなかった。僕の底の方で形成され、熟成されてきた、言葉のネットワーク。意識では気づけない場所。僕の長年の人生そのものが、全て織り込まれているような場所。時間/空間、そこからはみ出る言葉たち。心の中の壮大さ。全ての言葉にそのような性質がある、とすれば英語にも奥深い強さと、何もかもを超えていくものがあって、きっと一筋縄ではいかなくて、面白いだろうなとわくわくする。短い人生で、多くの言葉を学べないことは残念だけど、今書いているこの瞬間が、永遠にも連なる感覚があると、そんな残念さは問題にならない。永遠に浸れる今を感じている僕の心は、安息と希望を感じている。

 言葉が好きだ。僕は書き続け、読み続けるだろう。きっといつまでも。それが出来ると思える今、僕にとって人生は嬉しいものだ。言葉と心を巡る旅。それが誰にとっても、嬉しいものであることを、僕は願っている。……もしかしたらその嬉しさを共有出来るかも知れない……という儚いような、ちょっと泣きたくなるような、希望も込めて。
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