詩のこと、言葉のこと/由比良 倖
、人智を少し超えていて、それから静かで、自然を感じて、少し暗くて、…、「古池や蛙飛びこむ水の音」には合うけれど、「東海の小島の磯の白砂に」には全く合わないし、少し狭い感じで、もし無理矢理「幽玄の人」という言葉を作ったら、それはまず子供じゃないし、何か山の奥深くで苔を舐めて生きてる仙人みたいだと思う、人間じゃないかもしれない、「幽玄の犬」はブルドッグより絶対、古い神社の狛犬に近い、ということで大体意見が一致したんだけど、どこで「幽玄」なんていう言葉を覚えたのか、ふたりとも全然分からなかった。
僕は日本語を意識的に学んだことは無いので、僕の知らないところで、日本語のネットワークみたいなものが勝
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