シナリオ「恩寵のバーガンディ」?(新人シナリオコンクール・三次選考通過作品)/平瀬たかのり
 
な気がし
 てたわ。そしたらこれで」
   立ち去ろうとする陽鞠。前田、その背
   に向かって。
前田「なんやぁ、たいした女やなかったん
 やなあ、おまえ」
   陽鞠振り返って。
陽鞠「ふられたらいきなり『おまえ』かぁ。
 心技体いう言葉、毎日千回書いてから寝
 ろ、おまえは」
   去っていく陽鞠。
   体育館の壁を激しく蹴り上げる前田。

〇二色の浜海水浴場
   海水浴客で賑わっている砂浜を並ん
   で歩く陽鞠と寿道。寿道、肩にかけ
   た大きなタオルを首前で軽く結ぶよ
   うにして、胸板を隠すようにしてい
   る。
     ×     
[次のページ]
戻る   Point(1)