シナリオ「恩寵のバーガンディ」?(新人シナリオコンクール・三次選考通過作品)/平瀬たかのり
 
あ。帰って風呂屋行こな」
   佳也子の服についた砂を払う順平。
 佳也子、泣き続けている。
順平「俺も頑張って、風呂のある一戸建てく
 らい買えるようにならんとなあ」
   二人、身を寄せ合って歩き出す。

〇路上(夜)
   並んで歩いている二人。グズグズ泣き
   続ける佳也子の肩を抱き、引き寄せる
   順平。
順平「そやけどな、佳也子。髪、黒に染めた
 かてな、またいつかな、神さんからの授か
 りものみたいなこのきれいな赤い髪に戻し
 たいって思う日がくるはずやわ」
佳也子「来ぃひん。そんな日、絶対来ぃひん」
順平「いやぁ、来るような気がするなぁ。そ
 
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