シナリオ「恩寵のバーガンディ」?(新人シナリオコンクール・三次選考通過作品)/平瀬たかのり
 
くは」
陽鞠「昨日から四回も読んでるくらいやも
 んな」
   笑って頷く寿道。
寿道「ソフト部やってんね、杉原さん」
陽鞠「うん。公式戦で一回も勝ったこと
 ない弱小ソフト部のサードの補欠」
寿道「高校入っても続けようって思わへ
 んかったん?」
陽鞠「ヒーヒー汗かいて練習で走るのと
 か、中学の時だけで十分。考えただけ
 でゲー出そうや」
寿道「そっか」
   読書に戻る寿道。気づく陽鞠。
陽鞠「春野君」
寿道「ん?」
   陽鞠を見る寿道。
陽鞠「今の、ごめん」
寿道「『今の』って?」
陽鞠「いや、だから――ごめん」
寿道「ぜんぜんかまへん、そんなん」
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