新来/あらい
 
溢していた
 ひとり、火に欠ける、水盆の呪詛が翅を延ばし続け、
 砕かれるだけのじかんが、あちこちに伝染り出すこと。
亞ゐたシロ、
     ただ古めかしい思い出が、
     よろこびが流れていくのを
          黙っていて 枯れた枝が凍り月、そのままの姿でいて
彼は(枯れ葉。)多く語らない
両手には野茨、古く沈みそうな小舟に揺られている。それで
硝子の これが 《わりご》 から、巻き上げられた 〈箸渡し〉
          その仕種は故あって 湿され 逗まることを、棄てる

『みずはそぞろにかわいている。のせられていたわ それら粉飾の美辞麗句』
戻る   Point(0)