感謝の小旅行/秋葉竹
、安全で、快適な、
夢のようなやさしい空気の漂う
世界に
生きさせてもらってるんだろう、と。
ありがとうございます、
むかし、飢えに死んだおおぜいの人たち
むかし、獣に殺されたおおぜいの人たち
むかし、寒さに死んだおおぜいの人たち
それを、克服する『光』を
考えだしてくれた偉大なる先人たちの
叡智
ありがとうございます
それで、
ようやく
こんなくだらない僕でも
なんとか生き延びていけています
車窓から
ポツーン、ポツーン、と
輝くおそらくは民家の光をみながら
そんな過去への感謝を
してしまった
むろん、
いまは、いまだって、
たいへんな想いで
それこそ、
死にたいほどの苦悩をかかえて
みんな、みんな、
生きてんだけどね。
でも、
あのころ震えた恐怖には
人類として
打ち克ったんだって
あのころの「絶対的恐怖」だけは
先人がなんとかしてくれたんだって
そこはやっぱり
感謝しか
無いよね?
?
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